アンケート結果

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組織・団体名 ふくしま心のケアセンター(一般社団法人)
所在地 〒960-8012
福島県福島市御山町8-30
設立年月 2012/2
TEL/FAX 024-535-8639/024-534-9917
HP http://kokoro-fukushima.org/
アンケート記入日 2015/2/16

活動報告

メンタルヘルス支援活動を開始した時期を教えてください。(選択制) 発災半年後〜1年の間
メンタルヘルス支援活動の頻度を教えてください。
(選択制)
ほぼ毎日
メンタルヘルス支援活動を終了した時期を教えてください。(選択制) 現在も続けている
メンタルヘルス支援の支援対象者・活動場所について教えてください。 支援の対象としている年代(選択制) 特に対象はしぼっていない(※活動場所に訪れた人全て)
支援対象者の属性
(選択制)
特に対象はしぼっていない(※活動場所に訪れた人全て)
活動場所(選択制) 避難所,在宅避難者宅,応急仮設住宅,みなし仮設住宅,災害公営住宅(復興公営住宅),精神科医療機関,介護福祉施設,組織内及び所有施設等,各種学校
【具体的な内容】
記載無し
メンタルヘルス支援活動に関わっているメンバーの構成を教えてください。
(選択制)
精神科医,保健師,臨床心理士,社会福祉士,精神保健福祉士,看護師,その他(作業療法士)
【具体的な内容】 記載無し
東日本大震災における貴団体のメンタルヘルス支援の活動地域を教えてください。(選択制) 福 島:福島県全域
その他:北海道、埼玉県、長野県、静岡県、岐阜県、山梨県、三重県、大阪府、岡山県、鳥取県、福岡県、熊本県、沖縄県
貴団体のメンタルヘルス支援活動について教えてください。 活動内容を教えてください
  1. 普及啓発資料の作成・配付
  2. 個別援助活動
  3. サロン活動
  4. ホームページの開設
  5. 被災者専用電話相談ダイヤルの開設
  6. 被災者に対する普及啓発の講演会
  7. 一般住民を対象としたメンタルヘルス全般の啓発を目的とした講演会
  8. 地域人材育成のための研修会(ゲートキーパー養成研修など)
  9. 支援者支援としての研修会、個別相談会の開催
  10. 地域での関係機関との連携を図るための「方部連絡調整会議」の開催
  11. 健康調査の実施
  12. 自治体職員のメンタルヘルス調査の実施
  13. 自治体職員の個別面談、リラクゼーション、メンタルヘルスに関する研修会
活動詳細(選択制) 普及啓発,傾聴,電話相談,家庭訪問,受診推奨,不穏対応,心理教育,人材派遣人材育成,支援者支援,健康調査,健康法指導,コーディネート業務,研究・情報収集,情報提供,研修会・セミナー,普及啓発人材派遣,レクリエーションなどのサロン活動,その他
支援活動の特徴を教えて
ください
センターの名称には「心のケア」という言葉が使われているが、震災後は心のケアのみならず心身面や生活面に様々な影響が及ぼされるため、「からだ」・「こころ」・「暮らし」に関わる多職種(精神科医・保健師・看護師・臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士・作業療法士など)によるチームアプローチで、多面的な視野のもとに協働して支援することをその本領としている。
センターの活動内容は、1.住民支援、2.支援者支援、3.普及・啓発、4.人材育成・研修、5.職員研修、6.調査・研究、7.会議・コーディネートに大別される。
特に住民支援については、2013年度の統計では相談対応延べ人数は、5,566人であった。相談方法別では、1.訪問(87%)、2.電話(9%)、3.来所(3%)となっている。
昨年度に比べて、来所相談が増えてきている。相談場所も、1.仮設住宅(38%)、2.民間賃貸借上(20%)、3.自宅(20%)の順となっている。
相談の背景別では、1.健康上の問題(31%)、2.居住環境の変化(27%)、3.家族・家庭問題(12%)となり、長引く避難生活の中で、健康の維持が困難になっていることが窺える。
相談の契機別では、1.行政機関からの依頼、2.健康調査・全戸訪問等によるピックアップ、3.本人からの相談・依頼となっており、行政機関からの依頼と本人からの相談・依頼が増加傾向にある。
症状別では、1.身体症状(22%)、2.気分・情動に関する症状(18%)、3.睡眠の問題(12%)であった。
仮設住宅や集会所などでの集団活動はサロン活動とも呼ばれているが、避難生活を続ける住民を対象に交流の場を提供するもので、血圧測定などの体調チェックから始まり、軽体操や懇談の場を設けるなど、少しでも楽しんでいただけるメニューを設定して、籠もりがちな避難生活を予防する試みとしている。
次いで、支援者支援については、支援者支援延べ件数は、701件で2012年度の1.5倍となっている。
支援対象別では、地方公共団体・警察・学校・医療機関・福祉施設などが543件(77%)を占め、支援内容別では、支援に関する指導・相談が507件、ケース会議が266件となっている。加えて支援者支援を目的とした講演会・研修会は53件で、具体的な内容としては、メンタルヘルスやストレスマネジメント、リラクゼーション、グループワークなどに関するものであった。事例検討会は112回開催し、検討件数は225例を数えている。
方部ごとに行われている研修内容にも支援者のニーズに応じて、変化が見られ、ストレスとその対処方法などの心理教育にとどまらず、ピアサポートの場となるグループミーティング、セルフケア、スキルアップを目的に複数のコースから選べるスタイルへと移行しているところもある。
昨年、福島市で開催された「日本トラウマティック・ストレス学会」で発表した県中方部の報告によると、行政職員は被災体験等について語る機会が少なく、グループミーティングなどで自身について語るニーズがあること、社協関係では生活支援相談員などは、具体的な支援技術の向上へのニーズがあること、仮設住宅・サロン世話人は、住民からの苦情や心身の不調の訴えを日常的に聴く中で、そのストレスに対処する対人支援スキル習得のニーズがあること等があげられている。
さらに、同学会でいわき方部から「行政職員のメンタルヘルスの実態に関する調査」報告があったが、他の方部においても、自治体によっては、全員へのスクリーニングの上、リスクの高い職員への個別面接を依頼されるものまで出てきている。
支援活動の成果を教えて
ください。
福島県は、原発事故の収束の見通しが立たず、今なお「イン・トラウマ」の中にある。そのため、支援活動の成果について記すには時期尚早と考えている。
貴団体が行った支援活動の中で世界に広く共有したいと思うことがあれば教えてください。 阪神淡路大震災においては、兵庫県が実施した被災者の健康調査によると3年目頃からストレスが原因とみられるアルコール依存の増加が報告されている。またアルコールの問題は孤独死につながる重要な要素とも指摘されている。
そのため、2014年度からの重点事業として、当センター内にアルコール対策専門員を設置し、各関係機関との連携のもと、アルコール問題への対応力を強化する事業に着手することとした。
具体的内容としては、アルコール対策地域リーダー育成及びアルコール依存症についての地域関係者の理解の促進、対応力の向上のための研修会実施や、事例検討会の開催、またモデル地区を設定しての医療を含めた地域で支える仕組みづくり等を目指している。
貴団体のメンタルヘルス支援活動の課題・問題点を教えて
ください。
従来の被災地支援では、5年から10年後には、通常の地域保健活動に戻ることが想定されているが、本県は、震災の他、原発事故の収束の見通しが立たない中、心のケアは長期にわたることが予想される。
これに対応するためには、県との協議が必要となるが、支援活動に関わる職員の雇用の安定(単年度雇用の見直し)とともに、相談機能、研修機能、調査・研究機能を備えた恒常的な拠点づくりが課題である。
貴団体が考える被災地域全体のメンタルヘルス支援活動の
課題・問題点を教えてください。
原発事故の収束の見通しが立たない中、被災をされた方の喪失感は深まるばかりで、生活環境の変化や家族関係の変化、そこに損害賠償なども絡み、問題は、より個別化・多様化・複雑化・深刻化している。
それだけにひとりひとりの状況に応じて、気持ちを添わせ、きめ細やかで丁寧な対応が求められるようになっている。
支援者支援については、当センターの立ち上げ当初から課題となるものであった。避難生活が長期化する中で、自身も被災者である自治体職員や生活支援相談員など支援者の疲弊感は強まるばかりである。
特に自治体職員は被災者の苦悩をまともに受けやすい立場にあるため、その対応で無力感や罪責感を抱き、心身両面の健康を損なうようなことも起きている。
また、アンケート結果などからは、所属・職種・研修経験など個別のニーズに対応した支援者支援も求められており、息長く取り組む課題と考えられる。
さらには、支援者支援にあたるセンター職員のメンタルヘルスの維持についても支援体制づくりが必要となっている。
組織的には、定期的な休暇取得の保証、業務上のローテーション体制の取り込み、技術的な支援としては、業務の意味づけ、スーパービジョン、事例検討の時間の確保、複数及びチーム体制、ピアサポート体制づくり等が考えられる。

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