アンケート結果

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組織・団体名 日本ヨーガ療法学会 認定ヨーガ療法士会・岩手(一般社団法人)
所在地 〒020-0043
岩手県北上市立花22-96-5
設立年月 2011/4
TEL/FAX 0197-63-7681/0197-63-7681
HP なし
アンケート記入日 2014/12/30

活動報告

メンタルヘルス支援活動を開始した時期を教えてください。(選択制) 発災1週間後〜1ヶ月の間
メンタルヘルス支援活動の頻度を教えてください。
(選択制)
月に1〜3日
メンタルヘルス支援活動を終了した時期を教えてください。(選択制) 現在も続けている
メンタルヘルス支援の支援対象者・活動場所について教えてください。 支援の対象としている年代(選択制) 特に対象はしぼっていない(※活動場所に訪れた人全て),小学生(6〜12歳),中学生(12〜15歳),高校生相当(15〜18歳),成人(20〜64歳),高齢者(65歳以上)
支援対象者の属性
(選択制)
特に対象はしぼっていない(※活動場所に訪れた人全て),市民・町民,自治体職員,単身者,妊産婦,その他(介護予防者対象)
活動場所(選択制) 避難所,応急仮設住宅,介護福祉施設,その他(地域の公民館、自治会館など)
【具体的な内容】
避難所 仮設住宅などでのヨーガ療法指導
メンタルヘルス支援活動に関わっているメンバーの構成を教えてください。
(選択制)
社会福祉士,看護師,会社員,主婦・主夫,その他(医師(小児科))
【具体的な内容】 全員が共通して認定ヨーガ療法士であること
東日本大震災における貴団体のメンタルヘルス支援の活動地域を教えてください。(選択制) 岩手:盛岡市,宮古市,大船渡市,花巻市,北上市,陸前高田市,釜石市,奥州市,雫石町,大槌町
宮城:石巻市,気仙沼市
貴団体のメンタルヘルス支援活動について教えてください。 活動内容を教えてください

<活動開始>
3・11から2週間ほどしてから、一般社団法人日本ヨーガ療法学会から支援活動の要請がありました。被災地の私たちも望むところであったので早速認定ヨーガ療法士たちにそのことを伝えボランティア活動をすることに決めました。しかし、災害の大きさと初めての体験でどうすれば被災地支援ができるのか、まったく未知のことで何もかも手探りで動き出しました。
<リサーチ>
ボランティア活動をするにはどうしたらいいにか?まずはそこから始まったが、パソコンのインターネット、ラジオ、電話などでボランティアをする方法・情報を知りたいと思ったが、被災された市町村も混乱の極みの中で確たる情報は得られませんでした。道路や交通機関は寸断され、車はガソリンが無かったので、とにかく動いている電車、バス、タクシーなどを乗り継ぎ現地に行くしかありませんでした。ボランティア活動を受付る担当部署が市町村によって違っていて、たらいまわしにされてこともありました。ほとんど災害ボランティアセンターが設置されていて、そこに登録をして要請があれば訪問できるというものでした。しかし、ほとんど知られていない「ヨーガ療法」でしたので、黙って待っていたら要請は来ないと思い、ヨーガ療法士が手分けしてボランティアセンターの職員に説明させていただくか、直接避難所に行きお世話係の方にヨーガ療法の良さをお伝えして回る準備活動がありました。混乱している沿岸市町村の要請待ちの間、内陸部の温泉地の旅館やホテルも避難者を受け入れていたので、まずは内陸のボランティアから始めることにしました。

<被災地支援のための講座を受ける>

『精神衛生学的ストレスケア』の体験ワークショップ 5/2午後1:30〜
アイ・プロジェクト総合医学研究所 竹林直紀医師
会場:岩手大学人文社会学部6号館 参加者:約40名
セミナー内容:心とからだはつながっている。心と体のネットワークの神秘。ストレス反応とリラクゼーション。バイオフィードバックの効果(皮膚温、心拍振動器)。人間の健康維持システム。ストレスの長期化と心身の変化。マインドフルネスとは「今、ここ」に生きること。などなど実習を交えながらの研修でした。

『東日本大震災被災者へのトラウマ・ケア』5/31午後6:30〜
米国ボストン大学医学部教授 ビッセル・ヴァン・デア・コーク博士
主催:関西学院大  仙台会場 参加者約150 名
セミナー内容:トラウマを体験した時の大脳の反応とは。恐怖、驚き、不安感じる感情と偏桃体との関係。トラウマや心的外傷後ストレス障害(PTSD)は集中力と記憶の損傷を受け今現在起こっていることに対処する能力を減少させる。呼吸、身体感覚などで自己知覚や自己調整する力を取り戻すことが出来るヨーガの有効性について。

『愛する人をなくすということ〜喪失体験とグリーフ・ケア』6/11午後
上智大学グリーフ・ケア研究所 高木慶子教授        1:00〜
会場:岩手大学北桐ホール 参加者約200人
配布小冊子:「大災害後の悲嘆ケア」
セミナー内容:阪神淡路大震災の体験。悲嘆の意味とその深さ。自尊心の喪失。自然災害と人的災害。国によって災害の概念が違う。人間を癒すもの。儀式の大切さと起こったことの受け入れ。自分のできる範囲で励まし寄り添う。

『ボストン・トラウマ・センターにおけるヨーガ療法』2012/9/27
米国マサチューセッツ・トラウマ・センターヨーガ部門長
デイヴィット・エマーソン氏
主催:日本ヨーガニケタン  東京会場  参加者数約250人
セミナー内容:トラウマについての理解。トラウマによる脳、肉体、人間関係への影響。トラウマを受けている人へのヨーガ指導。アシストとアジャストの禁止。個人指導とグループ指導の在り方。今ここの意識化。緊張と弛緩の意識化。始めたら終わりがあるという時間の感覚。実習者の主体性、選択の自由と安全の確保。トラウマとストレス・ホルモンの関係。実習も多く勉強になった。

『マインドフルネス フォーラム2012』1日ワークショップ
米国マサチューセッツ工科大学医学部名誉教授ジョン・カバットジン博士
主催:マインドフルネス フォーラム実行委員会 2012/11/14 東京会場

『暮らしの中に認知行動療法を生かす』 2013/12/13
日本医科大学教授 海原純子医師
日本ヨーガ療法学会 木村慧心理事長
茶の湯武者小路千家 藤村道代氏
会場:帝京平成大学池袋キャンパス
主催:認知行動療法学会の市民公開講座

『心の健康サポートセミナー・岩手』 2013/12/23
大野裕医師、海原純子医師ほか
主催:復興庁(委託先日本医科大学)
会場:盛岡・大船渡・一関・陸前高田

その他、災害後多くのストレス・ケアやトラウマ・ケアの専門家がこの東北を訪れ、震災支援ボランティアの活動に際してさまざまなワークショップ、研修会を開催してくださいました。受講の感想としては、ヨーガ療法のメソッドはこのような大震災時に大いに役に立てるということを確信させて頂き、少し自信がついて被災地へ向かうことが出来ました。

<ヨーガ療法ボランティア活動開始*避難所編>
初めてのボランティア訪問は、2011年4月4日、釜石市のデイケアセンタ「はまぎく」でした。70代〜80代の男女9名の避難者がおりましたがヨーガ療法に参加したのは4名だけでした。誰とも話したくないとベットで布団をかぶって寝ていましたが、無理もない…と思いました。その時、衣類の支援物資が届いていたのですが、体型・サイズ・男女別、老若などが問題になっていたのを知り、衣類支援でも2L、3Lなどや高齢者向けものも必要なのだなと思いました。
●釜石市 甲子林業センター 避難所
4/5〜5/23 11回訪問 参加者総数93名
●盛岡市繋温泉 愛真館 避難所
4/25〜7/11 6回訪問 参加総数28名
●雫石町鶯宿温泉 長栄館 避難所
4/25〜7/18 11回訪問 参加総数47名
●雫石町 雫石プリンスホテル 避難所
4/28〜7/13 11回 参加総数41名
●雫石町鶯宿温泉 ホテル森の風 避難所
5/4〜7/13 10回訪問 参加総数34名
●医療者と共に避難者を訪問
・大槌町安渡 安渡小学校&体育館の避難所
・花巻温泉 ホテル紅葉館 避難所
●単発で訪問した仮設他
・宮古市グリーンピア三陸みやこ 奥州市水沢区くもん教室
・大槌町マストショッピングセンター
・竹駒地区コミニティーセンター(2回マタニティ・ヨーガ指導)

<ヨーガ療法ボランティア*仮設住宅編>
7月〜8月にかけて、避難所から仮設住宅への移転が始まりましたので、私たちの活動もひとまず夏休みということにし、その間、次のボランティア活動のリサーチを行いました。リサーチも手ぶらで行くのもなんなので
各ヨーガ教室の皆さんに協力して頂き、家庭用品や、寝具、食糧品、生花や野菜などを車に積んで訪問し、仮設住宅の状況を見させていただきながら、ヨーガ療法を説明させていただきました。10月方は大槌町、陸前高田市、大船渡市の仮設住宅の集会所及び談話室でのヨーガ療法ボランティアが始まりました。

●大槌町吉里吉里中学校 仮設住宅 月1回訪問 2011年10月〜
●大槌町 安渡小学校 仮設住宅 月1回訪問 2011年10月〜
●大船渡市 末崎小学校 仮設住宅 月2回訪問 2011年10月〜
●大船渡市 夢商店街カルチャー教室 月1回訪問2013年12月まで
●大船渡市末崎 平林仮設住宅 月2回訪問 12月〜2014年5月まで
●大船渡市太田 太田仮設住宅 月2回訪問 2014年6月〜11月まで
●大船渡市末崎 ハネウエル 居場所ハウス 2014年12月〜
●陸前高田市広田 旧広田水産高校仮設住宅 月2回訪問2011年10月〜
●陸前高田市 広田小学校仮設住宅月2回訪問 10月〜2012年9月まで
●陸前高田市竹駒 子育て支援センター 月2回訪問 2011年10月〜
●陸前高田市 介護予防事業(第1次・第2次)で訪問した所
・田畑公民館 ・横田町第二部落会館 ・矢作町二又公民館
・小友町西之坊会館 ・小友町唯出集会所 ・竹駒町下沢公民館
・高田町和野会館 ・第1中学校仮設住宅 ・気仙町双六公民館
・米崎町雷神自治会館 ・糠塚沢公民館 ・矢作町13区公民館
・矢作町15区公民館 ・広田町久保公民館 ・米崎町ヤルキタウン
●単発で訪問した仮設住宅
・大船渡市猪俣小学校仮設住宅

以上のヨーガ療法ボランティアでは、日本ヨーガ療法学会で作成しましたDVDが被災地の皆様に配布され、ヨーガ実習に大変役に立ちました。
DVD第1弾 「アンチエージング・ヨーガ」 2012年6月から配布
DVD第2弾 「アイソメトリック・ヨーガ」 2014年7月から配布
これらのDVDは、ウクライナのキエフにてチェルノブイリ原発での被爆者に6か月間実習して頂き、医学的な効果測定の結果も大変良好であることが
確認されております。また、福島県のある消防署において大震災時に救援活動された署員にトラウマのリスクの高い方が通常の2倍おり、ヨーガ療法のDVDを3か月実習して頂き、健康調査などの結果がリスク0になったことも報告されています。同様に、仮設住宅の集会所などに毎朝集まったDVDでヨーガ療法を実習しているという報告も受けています。(カレンダーに自分が実習した日に〇印を付ける。)
震災の急性期を過ぎ復興途中にある現在、再び不安やイライラの感情も出てきたり、取り残されているような、希望の見えないことへの漠然とした不安もあるという。これからもDVDやヨーガ療法ボランティア支援で
寄り添って参りたいと思っています。


活動詳細(選択制) 傾聴,心理教育,支援者支援,健康法指導,研修会・セミナー,普及啓発人材派遣,復興支援イベントの企画・実施
支援活動の特徴を教えて
ください
歴史あるインド5千年の伝統的ヨーガからの応用であるヨーガ療法は、本来「人間教育法」であり、人間が健康で幸せに生きて行く為にどうしたらいいかということを教示し伝えてくれています。ですから、思いがけない病気や災害に遭遇して悲嘆にくれる人、苦しんでいる方をどのようにしたら本来の元気な姿に戻してあげられるかということがヨーガ療法の神髄です。日常が破壊され非日常に投げ出された被災者は、恐れ、不安、心身の不調、体力の低下、人間不信、意気消沈、災害時での待ったなしの出産、悲嘆、抑うつ感などの不調などのストレス・コントロールや、トラウマ・ケアなどに役に立ちます。
@ ヨーガの体操(外向きになっている心を「今ここ」に戻す)
A ヨーガの呼吸法(呼吸は身体にも心にも影響与える)
B ヨーガの瞑想(自分や現実を客観視出来るようにして行く)
この3つを徐々に様子を見ながら行って行きます。まずは@から入るのが一番抵抗なく自分の身体感覚を取り戻せるようになります。Aでいつもは無意識で行っている呼吸を意識化することにより自分が生きていることや現実を実感するようになります。(体温や血流・血圧なども感じて頂く)
体操や呼吸法に慣れて、生活も心も落ち着いて来たら自分の心に湧き上がって来る想い見る心観瞑想から始め、自分を客観視できるようになります。瞑想の種類は沢山あります。
支援活動の成果を教えて
ください。
  1. 岩手県は面積が広く、沿岸にヨーガ療法が普及していませんでしたが、この震災を機会にヨーガ療法を紹介でき、被災地支援が出来ましたことは私達ヨーガ療法士に取りましても、被災地で初めてヨーガ療法に接し実習出来た皆様に取りましても良き体験になったことと思います。
  2. ヨーガを体験して初めて自分の身体を意識化したという方もたくさんおられました。体温の変化や血流、自分が呼吸していることの実感、オーバーながら自分は生きている!という実感をつかめたという方が多くいらっしゃいました。
  3. 今までのコミュニティを失い、突然の慣れない環境や新しい人間関係に戸惑いながら、種々のボランティアの外からの風にも助けられ少しずつ落ち着きを取り戻して行っていることは、ヨーガ療法に参加されている方々の様子、表情、話し方などで心の変化を知ることが出来ました。また、外部から入らせていただいているヨーガ療法ボランティアに対しても、徐々に心を開き、終了後にお茶の時間や昼食を用意してくださっていることもあり、ヨーガ療法ボランティアの日を楽しみにされている気持ちが伝わって参ります。
  4. 仮設住宅に中での生活は本当に窮屈、かといって外出したくても交通手段が限られ、出歩く先の商店街もない…そんな中でヨーガ療法の有る日は堂々と(?)お部屋から出てのびのびと体を伸ばせることがうれしいと伺いましたので、「リレー・トーク講演会」※の4回目の時、岩手山国際交流ホールに招待し、雄大な岩手山を目の前にしての講演、お食事、温泉入浴などで小さな旅を楽しんでいただきました。

※ボランティア企画 リレー・トーク講演会は、被災体験を語っていただき大震災を共有する目的と、被災支援に関する講演をいただき被災者の癒しに役に立てればと日本財団の支援を受けて企画したものです。
第1回リレー・トーク講演会
「放射能汚染の安全と安心」 星 一以氏
第2回リレー・トーク講演会
「アーユル・ヴェーダで心も体も癒しましょう」 佐藤真紀子先生
第3回リレー・トーク講演会
「苦難と悲しみを乗り越えて生きる」 真栄城輝明教授
第4回リレー・トーク講演会
「心と体の健康法・ヨーガ療法」 日本ヨーガ療法学会理事長
木村慧心氏
<ヨーガ療法に参加された方の感想>
終了後、多数の方から以下のような感想が寄せられました。
  • 激しい動きでないにもかかわらず、終わった後体が温かくなった。
  • 体が軽くなった。(多数)
  • 気持ちが良かった。(多数)
  • 呼吸や体をこんなに意識したことはなかった。
  • イライラしていたが呼吸をしたら落ち着いた。(70代の男性)
  • 股関節痛、腰痛やひざ痛があったが楽になった(多数)。
  • 音を出して行うのは初めての体験だったが、何だか気持ち良くなった。
  • 慣れない生活で疲れていたが、ヨーガをしたらすっきりした。
  • 身体の緊張が取れてリラックス出来た。(多数)
  • 集中がむずかしい。すぐ違うことを考えてしまう。(多数)
  • 何回かヨーガに参加していたら、高かった血圧が安定してきた。(多数)
  • 体操も良かったが、話を聞いてもらえたことがよかった。
  • 同室の人との関係がストレスになっていたが、ヨーガの話を聞き自分のここをコントロール出来た。(ホテルに避難している方)
  • マタニティ・ヨーガを指導して頂き安心した。(妊婦2名より)
  • ヨーガをしている間は、こんな状況を忘れることが出来た。(多数)
  • 時々いろんなボランティアが次々くるので迷惑に思うこともある。
  • ボランティアがせっかく来てくれるので参加しているが、本当は誰とも何も話さないで布団をかぶって寝ていたい気持ち。
  • ヨーガのひとときで気持ちが静かになる。
  • 途中で眠くなった。もっと激しい動きがいい。
以上は、まだ落ち着かない避難所生活の時の感想でした。
貴団体が行った支援活動の中で世界に広く共有したいと思うことがあれば教えてください。 今回の体験から、ヨーガ療法を世界中の方々に発信したい!!
  • 道具や用具が不要です。
  • どんなスペースでも実習可能で、床でも、椅子でも、立ってでも座ってでも出来るのが強みです。
  • 覚えると(又はDVDなどでも)自分で行える。それは、医療で言う自宅でお薬を服用することと同じで、毎日実習可能です。
  • 相手を必要とせず、何時でも、どこでも、1人で出来る。
  • 体が不自由な方、精神が病んでいる方、子供も大人も、もちろん高齢者など、老若男女どなたでも出来ます。
  • 集まって行えば笑顔と楽しいおしゃべりと健康の輪が広がります。
    ※東日本大震災の岩手県沿岸の被災者はほとんど漁業に関連した仕事の方が多かったため、男性は、日が経つにつれ日中避難所にもいたくない、でも何もすることがない…その為、何故か早期に復興したパチンコ店に行き憂さ晴らしをしていたようです。日頃からのメンタルヘルス啓蒙も大切と思われたことでした。女性のほとんどは毛糸や布きれを使っての「手仕事」をして、何も考えない…無心さを造り出し日常をとり戻しておりました。
  • 最後に、どんな援助も連続と継続が大切であることを伝えたいです。
被災地は時間が経つと、自分たちのことはもう忘れられているのではないか?という不安を抱くようです。ヨーガ療法は「忘れていないですよ…」を心に、連続と継続を実行して行きたいと思います。
貴団体のメンタルヘルス支援活動の課題・問題点を教えて
ください。
災害発生当初、さまざまな支援活動が怒涛のごとく被災地になだれ込んだという印象があります。全て善意からの支援活動ではあっても被災した方達の心情が混乱している状況で、受け入れがたいものもあったように聞いています。特に「メンタル・ケア」という一般の人がつかみくれない名称でいろいろなボランティアが入って来ることに少なからず抵抗があったように思います。避難所になっている学校の体育館などの入り口には、「ここはプライベートな場所です入室お断り!」「こころのケアお断り!」という張り紙があちこちで見られました。
ボランティア活動の許可を頂いて訪問しても、物見遊山に来るな!などと怒鳴られて帰ったこともありました。
物品の支援や商業経済支援などと、医療や心身の健康に対する支援活動がごちゃ混ぜになっているので、支援の内容によりしっかりと区別できるようだと活動しやすいと感じました。実際「医師」「保健士」などと書かれたヴィブスを着用していると受け入れて頂けることを目の当たりにし、「ヨーガ療法士」というTシャツとヴィブスを作ってもらえてからは、活動しやすくなりました。国や公共的にそのような対策を取ってくれると被災地に入りやすく支援活動もスムーズに行くことと思います。
貴団体が考える被災地域全体のメンタルヘルス支援活動の
課題・問題点を教えてください。
大災害ということが縁で、ヨーガ療法を紹介できましたことに感謝致すと共に、ヨーガ療法で習い覚えた心身の健康法を、今後の生活にも役立てて頂きたいと願っています。
人間の一生は、艱難辛苦はつきものですから、これからも、どんなことがあっても心身健やかに生きて行かれる精神性を造り、災害列島日本の中で、次々起きる自然災害(戦争やテロでないことが幸いですが)にあって、次に起きるであろう大震災の時に今度は東北の私たちが支援する立場になると思います。そのためにも精神の強靭さと明るい健やかさを養って行き、ヨーガ療法やその他の支援が出来るようにしていくことが今後の課題と考えています。
幸いにもこの3年半以上のお付き合いの中で培われた信頼関係で、この仮設暮らしが終了してもヨーガ療法とのご縁は切りたくないと希望される方々ほとんどで、自宅建設や災害復興住宅などの落ち着く先が決まったらその地域の公民館や集会所で継続して行こうとの気持があることをお互いに確認しています。

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