研究

各研究内容

疫学調査プロジェクト

精神保健体制におけるアーカイブ調査グループ

災害が精神医療保健体制に及ぼす影響の状況把握と対応のあり方の検討の為、東日本大震災被災地の精神科医療機関を対象にしたアンケート調査を実施し、 被害と対応の実態把握や、災害の復興・防災に関する有益な情報を抽出し集積するだけでなく、精神科医療機関の防災プランの策定や防災に関する資料作成への活用、国内外の関係機関への情報発信、多くの機関・団体が集積・公表しているデータを「みちのく震録伝」とリンクしながらアーカイブする等して、次の災害時の精神保健体制の整備に貢献することを目指します。

精神保健体制におけるアーカイブ_MAP
被災地域小・中学児童メンタルヘルス健康調査グループ

宮城県こども総合センター、名取市教育委員会と共同で名取市の小・中学生のメンタルヘルス健康調査を行っています。東日本大震災後のお子さん達のこころの健康、生活、修学の実態を把握して、被災の健康への影響や回復を左右する諸要因を明らかにして、お子さんたちのサポートに活かすことを目指します。

七ヶ浜健康増進プロジェクトグループ

東日本大震災以降、七ヶ浜町と東北大学の共同事業にて、役場職員や町民のみなさまとともに、健康づくりへの様々な取り組みをおこなっています。

七ヶ浜健康増進プロジェクトの取り組み
東北メディカル・メガバンク 地域住民コホート調査グループ

東北メディカル・メガバンク機構にて実施しているコホート調査(健康調査)をもとに、医療情報のICT化と未来型地域医療(個別化医療)の実現を目指します。

メンタルヘルス事業推進室_MAP
 

臨床研究プロジェクト

災害精神臨床研究グループ

震災によるストレスが自律神経系、免疫系に及ぼす影響の検証および血液・唾液に含の免疫細胞に発現するストレスマーカー分子の特定を行い、ストレス関連疾患のスクリーニング・診断法の開発、治療法の開発に繋げる研究を行っています。

災害精神臨床プロジェクト内容データ
精神疾患臨床研究グループ
画像遺伝学研究チーム

東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野、認知機能発達寄附研究部門などとの共同で遺伝子多型が脳構造や脳機能に及ぼす影響を評価する研究を行っています。脳画像情報をエンドフェノタイプに精神疾患病態の解明を進めることを目指します。

免疫研究チーム

統合失調症などの精神疾患では免疫細胞(ヘルパーT細胞)バランスに異常が認められています。そこで、罹患者の方の血液から各免疫細胞を単離し、遺伝子発現解析を行い、病態との相関性を検証しています。

精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究

本研究においては、精神科における診療ガイドラインの講習を行い、その医療機関における治療に影響を与えるかどうかについての検討を行い、精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果を検証し、より適切な治療が広く行われることを目的としております。本学は本研究に分担施設として参加しております。詳しくは本研究の統括施設である国立精神・神経医療研究センターの下記ページをご参照下さい。
https://byoutai.ncnp.go.jp/eguide/pdf-faq/Information_disclosure_ncnp.pdf

 

基礎研究プロジェクト

災害精神基礎研究グループ
精神神経免疫相関が関与する精神疾患病態のマイクロエンドフェノタイプの解明

神経回路の恒常性を維持するグリア細胞はサイトカイン分泌や栄養補給など多彩な免疫作用を持ちます。また、末梢血液由来の免疫細胞は病態下で脳内に浸潤して炎症因子など放出し、グリア細胞やニューロンとの相互作用によって精神疾患の発生・進行・再発・予後に関連することが知られています。当研究グループは、精神神経免疫学的な視点から精神・脳機能と免疫機能との相互作用が精神疾患に関与するメカニズムを解明するため、臨床検体および疾患モデル動物を用いてグリア細胞および末梢免疫細胞を対象に「マイクロエンドフェノタイプ」レベルで検討し、種々の精神疾患の診断・治療法の改善に繋げることを目指します。

マイクロエンドフェノタイプイメージ画像

胎生期ストレス

災害による強いストレスを妊娠時期に受けた場合に、産まれた子どもが将来に精神疾患を発症するリスクに変化が見られるかを調べています。特にストレスによるホルモン変化に着目して研究を進めています。

精神疾患基礎研究グループ
疾患分子:ソトス

精神発達の障害を伴う希少遺伝性難病の診断マーカーの開発と精神発達障害を呈する疾患の病態メカニズムの解明を行っています。

ソトス研究イメージ画像
疾患分子:死後脳研究

精神疾患は”脳の病気”の一つとされています。精神疾患の成因を解明する事を目的に、脳の組織・細胞で特異的に分子・細胞・組織レベルで起こる疾患病態を明らかにするための死後脳研究を行っています。

ADHD動物モデル

注意欠如多動性障害(ADHD)は多動、不注意、衝動性を特徴として主に小児期に発症する発達障害の一つです。本研究ではADHD様の行動を示すマウスモデルを使用して疾患の仕組みや治療法の研究を行っています。

薬剤分子:気分安定薬

気分安定薬の奏効機序の解析や神経免疫に関わる機序を特定する等を目的として、ヒトおよびマウスの脳神経細胞、グリア細胞、末梢由来の単球系細胞、樹状細胞などを対象とする培養実験及び動物実験を行っています。

msイメージ画像

アルコール依存

被災地ではストレスや環境変化によるアルコール依存の増加が懸念されています。災害によるストレスがアルコール依存を引き起こすメカニズムについて、依存・ストレスに関わる遺伝子に注目して解析をしています。

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